【異世界行ったら】19、グレイ視点

異世界行ったらハシビロコウ

19、グレイ視点

首輪があるかぎりコウの居場所は把握できるし俺以外には外せない仕組みだ。

ライナーも付けてるし今は仕事に集中しよう…。

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昔は魔力が暴走しやすくよく物が壊れ周囲に迷惑をかけていた。

それを見た両親は手に負えないと判断、俺とアッシュはジールに預けられ幼い頃から大人に混じり魔術師として活動していた。

アッシュは騎士団に入ったが俺は荒い魔力が問題で入れず、上の命令を直に請け負う部隊に配属され戦場や暗殺といった仕事ばかりしていた。

そういう生活をしていたらいつしか感情が遠のいていき周囲から根暗と呼ばれていた。

「また勇者の召喚ですか…。」

「え~、また~?」

「王妃が帰ってくる前になんとしても成功させる、各自急げ。」

「今回も王妃の許可無しですかー?」

「王の命令だ早くしろ!!」

術士達が慌ただしく準備するも内心うんざりしていた。

“人間だったモノ”を見ていながらまた同じことをするとは…。

罪もないものを殺して、ここに居る全員が犯罪者だな…。

いや、前からか?

――まぁ、いつも通り命令に従うまでだ。

王の希望通り城の精鋭術士達が勇者を召喚。なぜかデカイ鳥も召喚されていた。

喋るそれを見て飼いたいと思ったが勇者のものだと思い見るだけに留めていた。

だからそれを手にした時は嬉しかった。

人間だから弱い動物と違いすぐ死なないし言葉も通じる。

荒い魔力にも平然としていてペットというより小さい弟ができたような感覚で楽しかった。

コウが人の姿になろうとした時は残念に思ったが結果的に失敗してくれて良かった。

…これを口にしたら変な術をしようとするだろうから絶対言わないが。

日が経ち10歳ぐらいの子供の姿をとれるようになったが鏡を見てなにやらショックを受けていた。

「・・・なん、で?」

青みがかった灰色の長髪にアホ毛、中性的な顔立ちに体。今回はおかしな所は何もない。

やはり気にしていた身長か?俺としては撫でやすいからそのままでいてほしいが…。

「小さいのがそんなにショックだったのか?」

「…がう。」

「なんだ?」

「いえ、なんでこんなに違うんでしょうねえ?」

コウは鏡に映る自身を見ながら泣きそうな顔をしていた。

「身長なら姿を変える練習をすれば解決するだろ。(なぜ泣きそうになる?)」

「…そう、ですね、…後で練習してみます。」

何とも言い難い顔をしたコウはふらふらとソファに移動しクッションに顔を埋めた。

「コウ。」

「…なんです?」

「3ヶ月も経つのになんで俺に懐かないんだ?」

「抱きまくらにしなきゃとっくに懐いてますよ。」

「それ以外で頼む。」「いや無理だから。」ズバッ

どちらも即答だった。

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「やっと見つけたあー!」

ガシィッ「?!」

いきなり走ってきた人物にコウは抱きしめられ混乱、硬直。

「はぁ、ぜぇ、ぜぇ、話し、げほっ、」

よく見ると勇者で、汗だくで息を切らしていた。

「ひとまず落ち着け離せくさい。」

抱きしめられ宙ぶらりんになっているコウは人が居ないのを確認してから落ち着くよう促した。

「はなし、だけど、」

「その前に移動、ハゲに見つかったらやばいっしょ。」

「それでしたらこちらへどうぞ。」

第三者の声をしたほうにバッと向くと見覚えのある人が佇んでいた。

「(気配ないし敵意もない。…どこかで見たような?)」

「王妃の従者?」

「(…だったっけ?)」

「どうぞこちらへ。」

二人は顔を見合わせ頷くと静かに従者の後についていった。

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