【異世界行ったら】13、臭いに敏感

異世界行ったらハシビロコウ

13、臭いに敏感

「只今戻りましたー。」

「戻ったわよー。」

グレイの仕事場の研究所でスライムの使い道や元の姿のヒントになるのはないか探してたら

女性の声がしたのでドアを見ると眼鏡をかけたぽっちゃり女子ととツンとした女子がいた。

「おかえり~。」

チャラい術士が声をかけていたが見たことがない二人だった。

「あの二人は遠征に行ってたからな。眼鏡がミシェル、デコがローラだ。」

首を傾げているとグレイが説明してくれたが雑だ。分かりやすいけど。

「誰がデコですってこのうざ髪!」

「デコが目についたから言っただけだ。」

「あんたの根暗には負けるわよ!」

ふんっと鼻息荒くデコが言うが二人は仲が悪いのだろうか?

「この鳥可愛いですねー、誰の使い魔ですか?」

ぽっちゃりが話しかけてきた。

「俺のペットのコウだ。」

「コウちゃんですか、よろしくね。」

「…ちゃん付けは止めてくれません?」なんかやだ。

「ペットなのに喋んの?モンスター?」

「賢いですねー。」

「いや人間だから。」

「「え?」」

二人は驚いたかと思うと今度はジロジロとグレイを見始めた。

「まさかグレイさん…。」

「あんたそこまで落ちたの?」

「ほぅ、喧嘩なら買うぞ。」

蔑む二人にグレイが殺気を出した。背景もどす黒く歪んで見える。

「その前に誤解を解いてください。」

ため息を吐きながらグレイを止めた。

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「あんたよく無事だったわね。」

「元の世界に帰れるといいですね。」

グレイから説明を聞き終えたローラは呆れながら、ミシェルは心配そうにそう述べた。

コウは気にせず翼で器用に《これで完璧☆黒魔術》という本を読んでいた。

「あの、コウさんを抱きしめてもいいですか。」

「本人に聞け。」

「…え?抱きしめるって、中の人が脂ぎったオッサンだとか思わないんですか?」

「え。」

ミシェルの顔が引き攣った。

「嘘をつくな、勇者がお前のことを「同じ年頃の人」だと言っていたぞ。」

「それは確かな情報で?」

コウは少し焦った。

「「確か見た目は同じぐらいだったと思います。」と言っていた。」

「…当てになりませんねぇ。(見た目ねぇ…。)」

「とにかく脂ぎったオッサンではないから大丈夫だろう。」

ミシェルが期待した目でコウを見ている。

「…変態野郎とか思うのならこっちからお断りしますが。」

「思いませんから抱きしていいですか。」

ワクワクした目で見られグレイと同類な気がしてちょっと引いた。

「…クレームは無しでお願いします。」

「しませんって!」

「…ならどうぞ。」

ぎゅっと抱きしめてきたが女の子の方が力がなくて楽だ。あったかいし。

グレイだと力がキツイし寝ぼけたときなんて圧迫されて死にそうになるからいいかげん新しい枕でも買ってほしいなぁ…。

「暖かいし柔らかいです。」

「そうだろう。」

グレイが同意するように力強く頷いている。

(…ん?)

「くさい。」

「え?」

「くっさい!離して下さい臭い!」

即座にミシェルから離れグレイに駆け寄り擦りついた。

「訓練場のオッサンよりも臭い!」

「おい服で拭うな。」

「そういえばモンスターを殺した時に臭ったわねそのせいかしら。」

「まあ確かにちょっとは臭うけどな。」

ミシェルの側に居たチャラ男が言う。

「(スンスン)ほんとだ臭う、…シャワー行ってきます。」

ミシェルが落ち込みながら出ていったが臭くてそれどころじゃない。

「アタシも行くわ、報告書はここに置いとくから。」

近くの机に報告書を置き二人は出ていった。

コウはまだグレイの服で顔をゴシゴシ擦っている。

「おい止めろ。」

「すいません臭いが鼻について取れません、今日だけ早くお風呂入りたい。」

「そんなに臭うか?」

「分かりませんが臭いですおかしいですね鳥は嗅覚が鈍いはずなんですが。(駄目だ取れない臭い。)におい取りたいんで空飛んできていいですか。」

「あまり離れるなよ。」

それを聞いてダッシュで窓から飛んだ。

(自由だーーーーーー!!くさっ)

その日の晩、長く身体を洗ってもらいようやく臭いが取れスッキリした。

「いつもこうだといいんだが。」

グレイの言葉には聞かない振りをした。

魔力が発現すると臭いに敏感になる人も居るらしくチャラ男自身もそうだと言っていた。

訓練すれば抑えられるというので早速したがあとは慣れの問題らしい。うえ…。

グレイが仕事から帰ってくると大体臭うので詮索はしないが何かを殺してるのだろうか。

ただ単に実験の失敗で臭いだけならいいんだけど。

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「勇者の方はどうだ。」

「順調に”制御”できております。」

「魔王討伐より私の威厳のほうが大事だからな精々頑張ってもらうとしよう。」

「勇者が鳥の方を気にしていますが如何なされます。」

「余計なことを吹き込まれては敵わん、けっして会わせるな。」

「畏まりました。それと例の件ですが―――。」

その様子を景色と同化しているスライムが見つめていた。

黒い会話がしばらく続き会話を終えると二人は部屋から出ていった。

プツッ

ここでスライムの映像が途切れた。

「…くっだらないなぁ。」

スライムを持つコウが呟いた。

「なんだまた変な魔法でも思いついたのか?」

「なんですそんなにスネ毛が伸びる魔法が見たいと?あいにく自分は鳥でスネ毛がありません代わりにグレイがやってみませんか。」

「結構だ。」

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