【異世界行ったら】10、温かい目で見守られた

異世界行ったらハシビロコウ 10、温かい目で見守られた

ボンッ プシュ~…

「相性が悪いとは珍しいのぅ。」

「う…。」

仕事場の隣にある魔術防壁が張られた部屋で攻撃魔術と防御魔術を賢者っぽいジールさんに教えてもらっているが一向に成功しない。

「どれ違う魔術を試してみるか。幸いここには色んな書物がある、選び放題じゃぞ。」

(フォローされてる。…何でもいいから早く覚えよう。)

「どれでもいいんですか?」

「もしダメならワシが注意するからよいぞ。」

本棚を眺め役に立ちそうなものを見てみた。

(あ、これやりたい。)

役に立ちそうにはないがやってみたかったのでそれらを本棚から取り出した。

「これでキャベツ創っていい?」

「止めい。」

速攻で止められた。なんで?

スポンサーリンク

「…何か成功したのか。」

仕事中のグレイに話しかけたら顔を見て成功したと思ったのだろう、

初めてのおつかいを見るような温い目で見てきて何かグサッとしたが気にしないことにした。

「もちろんできました!」胸を張って答えた。

「フプッ、もちろん、できたとも。」二人のやり取りを見てをジールは少し笑っていた。

「…変なことを覚えたのか。」

ジールが笑っているのを見てグレイは王妃とのやり取りを思い出し変な術を覚えたのかと危惧した。

「失礼な!いきますよ。」

コウはグレイの前に行き、両翼で魔力を練ると

ポンッと軽い音を立てカトレアに似た一輪の花が現れた。

「受け取って下さいマイフェアレディ。」

カッコつけてグレイに差し出したら驚いた顔をされついでに周りから「「ブフッ」」と吹き出す音が聞こえた。

「ありがたく受け取っておこう。」

(ん?てっきり呆れられると思ったんだが。)

「呆れないんですか?」

「成功したのが初めてならあげるのも初めてだろう?」

「そうですね。」

「…悪くない。」

頬を緩めて笑っているグレイは女性が見惚れるほどの笑顔だったが

私には初めてのおつかいに成功して喜んでる親にしか見えず、引いた。

「他に覚えたのはあるのか?」温かい目で見るのはやめろ傷つく。

「ありますが…。」

見せるのをどうしようか考えてると眼鏡を掛けた委員長っぽい人が来た。

「飼い主のご機嫌取りとはさすがペットだ価値がない。人間ならば役に立つ魔術を覚えたらどうだ。」

「じゃあやりますよ。」

鼻で笑われたので苛つきながら両翼を前に出し、得たばかりの術を発動した。

「見て驚けハッピーハート!」『セリフ適当(笑)』テロップうっさい。

ぽんっ

週間少年雑誌ほどの大きさのハートが委員長の前にぷかぷかと浮かんでいた。

「…は?これのどこが役に”ドサッ”…Zzzー…。」

【鑑定】でも使ったのだろうか、ハートに触ったら倒れて寝た。

「…コウ、これは何のスキルだ?」

「一応回復。普通の回復術だと疲れが取れませんがこれは疲れが取れるスキルでLvに関係なく疲れてる人ほど効き目が大きい、んですけど…。」

熟睡している委員長を見て効きすぎじゃないかと思った。…疲れすぎ?

「通路の邪魔だな片付けるか。」

グレイが委員長の足を掴んで近くの仮眠室に引きずっていった。

(眼鏡がずれた。…うわ扉にぶつか、今スゴイ音、…起きないな。)

「いいのか雑で。」

「構わんじゃろ。…しかし愛されとるのう。」

「何の話です?」

「…独り言じゃ。(価値がないと言った瞬間グレイが一瞬殺気立ったのは内緒にしておこ。)」

スポンサーリンク

(―――しかし人間なら、か。キツイ言い方だけどあの飼い主とは違いちゃんと”人”として見ているのだろうか。)

人の手ではない両翼を見ながらなんとなしに拳を握った。――やっぱ辛い。

「ジールさん、攻撃と防御教えてくださいペットって言われると腹立ちます。」

「出来ないと分かっていてもかの?」

「む、決めつけないで下さい!」

「始めてから三日も経っておらんしのう。(いい目じゃな。)」

(諦める気はない、絶対に戻ってやる。)

「委員長に目にもの見せてやります、そして城中キャベツとワカメだらけにしてやります!」

「余計なものが増えとるの。」

←BACK 小説一覧 NEXT→

ランキングに参加しています。
にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ
にほんブログ村

スキル:鑑定
効果:あらゆるものを鑑定できる。Lvが高いほど詳細な内容がわかる。

スキル:フラワー
効果:花が出せる。スキルを高めると他の植物も出せるようになる。
これ以降主人公は野菜を出せないか模索することになる。

ユニークスキル:ハッピーハート
効果:回復(小)・異常状態の正常化。Lvに関係なく疲れている人ほど効果が高い。
(としか鑑定では表示されない、何度やっても同じ。)

カトレア
花言葉:優美な貴婦人・成熟した大人の魅力・魔力・魅惑的・あなたは美しい・高貴・品格と美・純粋な愛・素朴・真の魅力・理想郷。
白は魔力、紫は優美な女性・優美な女心と色別に花言葉がある。
蘭の女王と呼ばれ女性全般に贈られる花であって男性向けではない。
主人公がこれを送ったのは皮肉かそれとも…。
しかしどんな理由で送ってもグレイは花に詳しくないため気づかないというオチ。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする