【異世界行ったら】09、その飼主、取り扱い注意につき

【小説】異世界行ったらハシビロコウ

ドォン…。

「ん、地震?」

「地震?気のせいだろ、なあ?(この魔力グレイだな。)」

「ああ気のせいだろ。(何かあったな。)」

「大方魔法の訓練でもしとるんじゃろう気にせんでよい。(切れとるのぅ…。)」

「そういえばこっちにも地震ってあるんですか?」

「あるが小さいし数も少ないのぅ。」

「やっぱ大陸だからあっちよりは少ないんですね。」

「…ん?その言い方だとそちらの世界は大陸じゃないように聞こえるが?」

「大陸もありますが私が居た所は人口一億人超えの島国で地震大国と呼ばれていました。」

「一億…。」「嘘だろ。」「まさか。」

そういえばこの世界の人口は多い都市でも5千万いかないっけ?

ここの人口はどのぐらいだったかな習ったはずだけどどうでもよくて忘れたなあ。

「こっちの建物はどのぐらい耐震性があるんですか?」

「耐震?地震が少ないから要らないだろ。」

「けど建物が脆くて地震でお陀仏、なんてあっちじゃよくニュースでありましたが。」

「興味深い話じゃの詳しく聞かせてくれんか。」

「何の話だ?」グレイが戻ってきた。

「地震の話をしていただけです。お腹空いてるので後でいいですか。」

「かまわんよ。」

マジお腹空いた。

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09、その飼い主、取り扱い注意につき

「90人?マジ?」

「マジじゃ。ここにおる上級術士もそのぐらいじゃな。」

ごはんを食べおわり賢者っぽい術士のジールさんと地震について話をし、次に召喚の話に移った。そうしたらグレイの魔力はだいたい一般術士90人分と判明したが上級だとそれぐらいが普通なのだろうか。

「ずいぶん中途半端な数字ですねー、グレイ!キリよく100人いってみて♪」

「無茶言うな。」

仕事をしているためこちらを見ず返事だけ返された。

「グレイの良いとこ見てみた~い!!(黄色い声)」

「煽てもできん。」

「諦めるな!やればできる!熱くなれよ!(某熱血ボイス)」

「そこうるさいぞ集中できん!」

「すいません委員長。」「誰が委員長だ!」

「気が散る少し黙っていろ。」

「御意。」

怒られたので口を閉じた。にしても上級魔術師ってもろ国の戦力だよなあ。

(賑やかじゃのぅ。)

笑いが漏れている者達を見てジール=オレグは笑みを浮かべた。

あの者を飼い始めてからグレイの雰囲気が柔らかくなったと思ったがここまで影響するとは。

ジールは目を細め昔グレイがある人物とともにある国を半壊させたことを思い出した。

(随分懐いとるようだしあの者が殺された場合を考えるとゾッとするのぅ。王妃はあの者を利用しようとしているが一歩間違えればグレイが切れ最悪は―――。)

「(弱いままだとちとキツイのぅ)…コウお主魔法を習ってみんか?」

「いいともー。」

「軽っ!」「軽すぎだろ!」「喋ってないで手を動かせ!」

「(騒がしいのう。)もうちょっと悩まんのかお主。」

「するだけ無駄でしょう。今の私に拒否権なんてあるようで全っ然無い上にこれから厄介事が増えそうな気がするのでこちらとしても願ったり叶ったりです。」

「なるほどのぅ…。」頭は悪くなさそうじゃな。

「しばらく一人で外出はするな、部屋から出るときは俺かアッシュと行動しろ。」

「りょーかい。」

グレイの自室に戻ってきたら開口一番に言われたので素直に頷く。

手加減されていたとしても追いかけられんのはもう嫌だ。

「それと訓練の件だがくれぐれもふざけないようにな。」

呆れながら言われた。さっきはふざけすぎたし反省するか。

「魔法は危険そうですし訓練でふざける気はありませんよ。それと言い忘れてましたが、」

言葉を切ってグレイの目を見る。

「なんだ?」

「飼い主を変える気は毛頭もないので、それだけです。」

それだけ言って視線を外した。

「…そうか。」

ピリピリしていたグレイの雰囲気が和らぎようやく安心することができた。

(毛が逆立って嫌なんだよねぇ。)ご機嫌取りは大事ですっと。

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同時刻、豪華な部屋で一人泣いている人物が居た。

グズっ、あんな、恥辱なんて、…最悪!」

昼に会った小さな姫が自室のソファでクッションを持ちながら泣き腫らしていた。

「気絶した上にお漏らしがですか。」

近くに待機していた女従者が無表情かつ冷静に言う。

「黙りなさい!」

「グレイ様の取り扱いには注意せよと前から注意していたはずですがその耳はお飾りですか残念な頭ですね。」

「あんなっ、あんな化け物だったなんて、分かるわけ無いでしょう!」

「お言葉ですがそれだと私を含め上級魔術師すべてが化け物ですよ箱入り様。」

「箱入り言うな!」

「なら言われないようよく学習して下さいアホンダラ姫。それと明日から家庭教師が変わるので真面目に取り組むようお願いします。」

それを聞き姫は泣くのを止め顔をポカーンとさせた。

「…は?なんで?!アタシ成績悪くないでしょう?!」

「紙上の成績は悪くありませんが人様に対しての礼儀がなっておりませんので調教いえ躾なお、…躾けるために家庭教師を変えさせて頂きます。ご安心下さい王妃が直々に選んだスパルタ教師ですこれでどこへ行っても恥ずかしくない姫になれますよ。」

驚愕で口を開閉させている姫に無表情だった女護衛がにっこり笑い、

「今からとても楽しみですね。」と付け足した。

それを見て姫はサーッと青褪め声にならない声を上げた。

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