【異世界行ったら】08、追いかけられた

「待ちなさい鳥!!ぼさっとしてないで捕まえてっ!!」

ざけんなクソガキ逃げるに決まってんだろ!!

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異世界行ったらハシビロコウ

08、追いかけられた

グレイに「今日は一人でご飯を食べろ。」と言われのんびり食堂へGO。

行く途中、日差しが暖かいので中庭で少しボーッと過ごしていた。

「何あれ?」

声がした方を見ると子供が無遠慮に近づいてきた。ちょっとは警戒しろ。

「大きい鳥ね、首輪もあるしこれ誰の?」

「グレイ様のペットですよ姫様。」

「あの根暗の?ふーん…。」

(ジロジロ見んな。)

「これ欲しいんだけどあの根暗に言ったらくれるわよね。」

(は? 何言ってんだこいつ?)

「それは無理です。この鳥は陛下からグレイ様へ贈られたものですので。」

(従者さんナイス!)

「私が欲しいって言ってんだからいいじゃないお父様だって良いって言うに決まってるわ、あいつより私に飼われた方が鳥だって幸せに決まってる!」

(お断りだこんな奴。)

「ペットなら他のものでもよろしいかと思いますが。」

「それじゃあ自慢にならないじゃない!」

(やっぱりか!ここに居たらヤバそうだ。)

そう思い走って逃げたら護衛が追ってきやがって冒頭に至る。

(埒が明かない、グレイの仕事場は上だったか。)

翼を広げ空に逃げた。練習しといて良かった!

「捕まえなさい!」「無理です。」「傷付けたら怒られます!」

飛んでいる一例↓出典:https://www.youtube.com/watch?v=n9-GV8IWYHI

上野動物園 ハシビロコウ 飛ぶかも・・・飛んだ!

上野動物園 ハシビロコウ 飛ぶかも・・・飛んだ!

仕事場付近を飛んでいると窓からグレイが見えたので近づきバウリングしながら窓を突いた。

中の人達が驚いた顔をしたがグレイがすぐに窓を開けてくれなんとか中に入った。

「珍しいなどうしたんだ?」

「こいつって勇者のとばっちりだよな?」

(ん?初日にいた人?)

疑問に思っているとグレイが答えてくれた。

「覚えてないだろうが召喚時に居たやつばかりだ喋っても大丈夫だぞ。」

「姫様と呼ばれたクソガキが根暗よりアタシの方がふさわしい!って追いかけられた。」

そう言った途端グレイだけじゃなく周りも顔を顰めた。

「またか…。」

溜息をついたり胃を押さえたりしてる人がいた。OK理解した。

「身の危険を感じたのでここに居させて下さいもしくは王妃に会わせて下さいそれがダメなら王妃に言伝お願いします。」

「ここに居ていいから落ち着け。」

「なんだそんなにやばかったのか?」

「護衛に”王からグレイ様に贈られたものです”と言われても”私が欲しいって言ってんだからいいじゃないお父様だって良いって言うに決まってるわあいつより私に飼われた方が鳥だって幸せに決まってる”だそうです。」

顔を歪め一気に喋った。

「・・・・・・・・・・・。」

「うわ。」「はぁ…またか。」「あの馬鹿ガキ。」「胃が痛い。」

それを聞いた周囲が何とも言えない顔になった。

ゾクッ

少し寒気がしてザワっと毛が逆立った。

「グレイ落ち着け。」「ぐっ!」「うぁ…。」

数人が苦しそうに呻いたり冷や汗をかいている。

平然としている人も居るが放っておいたらヤバそうな感覚がした。

(なんだ?グレイがやってるのか?)

グレイを見たら無表情なのに背後がどす黒くなっていた。心なしか見てると寒気もしてくる。

即座にヤバイと判断、行動を起こしてみた。

「グレイ。」

こっちを見たグレイに足(の安全な部分)で思いっきり顔面を蹴った。

ゴッ!ドサッ!

油断していたのか見事床に倒れこんだ。

「おい何してんだお前!」「恐くないのか。」「命知らずも大概にしろ!」

外野がうるさいが知らん、グレイが顔を押さえながら起き上がった。

ギロリと睨まれたが気にしない。

「グレイ、お腹が空いたんで昼食の方お願いします。」

グ~ッ… 近づき服を引っ張りながら言うとちょうどお腹も鳴りそれを聞いたグレイが目をパチクリとした。

「…食べてないのか?」

「食堂に行く前だったんで。」

「…そうかなら持ってこようデザートはいるか?」

「もちろん。」グ~ 答えるようにお腹も鳴った。

「ならここで待っていろ、食堂に行って取ってくる。」

「分かりましたいってらっしゃい。」「ああ。」

コウの頭を一撫でしてグレイは部屋を出ていった。

扉が閉まった途端部屋に居た人達は一斉に脱力した。

「勇者かお前。」

「勇者は特訓中ですが。」

「いやそうじゃなくてだな。」

「あやつの魔力に耐えられるのがすごいと言ってるんじゃよ。」

賢者みたいな人がそう述べた。

「耐える?ちょっとザワッとした程度でしょう?」何言ってんだこの人。

「マジか…。」「ほぉ…。」

なぜかどよめきが起きた。

「(え何?)とにかく飼われるんならグレイの方がマシですあのガキは断固お断り!」

そう言ったら周りの人があの子供について教えてくれた。

「え、姫の中で一番我侭で性格ハゲ似?うわぁ…。」

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「グレイ!」

「お待ち下さい姫様。」「おやめ下さい!」

食事を乗せたトレイを持って中庭の通路を歩いていたら名を呼ばれた、が無視して歩く。

「ちょっと待ちなさいよこの根暗!」

(コウが待ってる早く戻ろう。)

「話があるって言ってんの!止まりなさい!」

(温かい方がいいだろう。)

「あんたの鳥をアタシに寄越しなさい!」

足を止め声がした方を向いた。護衛を連れた子供がそこには居た。

「ったくすぐ止まりなさいよ、あの鳥はアタシの方が上手く飼えるから譲りなさい。」

ザワッ 

異変を感じた鳥たちが一斉に空へと飛び立った。

「珍しいし手放したくないならそれなりのお金を出すわ、いい話でしょう?」

ピキッ 

窓に亀裂が入った。

女従者は静かに下がり自分の周囲だけに防御壁を張った。が、子供は気づかず喋り続ける。

それを見て護衛も下がりたかったが姫の横で警護を続ける。

「何か言いなさいよ迷っているの?…なら研究費も付けるわそれならいいでしょう?」

ピリピリッ

徐々に罅が深くなっていきいつの間にか周囲の音が止んでいた。

「ダメなら貸しなさい飽きたら返すわどう?

―――ちょっと!黙ってないで喋りなさいよこの根暗!逆らうならお父様に言いつけ」

ドォンッ!!

パリン!! パラパラパラ…。

周囲の窓が一斉に割れ壁に亀裂が入り一部の壁が崩れた。

「―――あれは俺のだ、誰であろうと手を出したら許さない。」

それだけ言うとグレイはその場を立ち去った。

騒がしかった子供は殺気に当てられ気絶、床には水溜りができていた。

「…アホ姫を部屋へお運びしろ、私は上へ報告してくる。」

女従者が護衛に命令をし王妃の元へと走っていった。

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