【異世界行ったら】01、理不尽な召喚

城の庭で訓練に励んでいる人物を上から眺めている者がいる。

「がんばってるねぇ”勇者殿”は。」青みがかった灰色の人物は皮肉げに呟いた。

【小説】異世界行ったらハシビロコウ

とある5月。

天気もいいので盛岡城跡公園でカメラを持ちながらダラダラ辺りを散策していた。

桜も散り終わりなため人も疎らでテキトーに見慣れた日常の風景を写真で撮っていると隣から

「うあーー、ハァ…。」とだるそうな声が聞こえた。

横を見ると部活帰りだろうか、ジャージを着ている高校生がいた。

手にコーラと団子を持って柵に寄りかかっている。

どうでもいいがおやつとして甘ったるい組み合わせだと感じた。

(違うとこ行こう。)

そう思いその場を離れようと動いたら地面が光った。

「は?」「え?」

とっさのことで動けずにいたら光が強くなり目を開けていられなくなった。

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01・理不尽な召喚

「成功か?」「勇者なのか?」「何だあの鳥は?」

騒がしい声がするので目を開け見渡すと、

広い部屋でいかにも魔法使いですという格好の人が何人も居た。

隣を見ると公園に居た高校生も倒れていた。

(まずは現状確認、起こしたほうがよさそうだ。)

そう思い起こすために手を動かしたら翼が目に入った。

「…は?」

小さく声が漏れた。自分の手足を見るとどこかで見たことのある色をしていた。

(え、ちょっ、これ、持ってたストラップの色に似てる?まさかこれはハシビロコウ?)

まさかと思いながら下を見たら黄色く長いくちばしがありハシビロコウと暫定。

冷や汗が出て喉がカラカラになった。

(とにかく彼を起こそう。)

周りの人間は警戒してるのか動かずこちらを見ているが気にしてられない。

翼でペチペチ顔を叩いた。が、効果はなかった。

翼でバホバホやっても起きなかったので蹴ろうと思ったがそれはダメだと思い普通に起こすことにした。

「おい起きろ!学校だ!遅刻する気か!」

「遅刻?!」ガバッ

(起きんのかよ!)

「喋った?!」「ほぉ…。」「あちらの鳥は喋るのか…?」

「鳥?!え、ハシビロコウ?!!」

暫定が確定に変わり顔がひきつった。

「違います、公園であんたの横に居た人間です。」

「え?横?」

イラッときた。

「まだ寝ぼけてんのか公園でコーラと団子持ってだらけてたろうが。」

「あ、はい。」

「その隣りにいた人間です。地面が光ったのは覚えてますか。」

「――あ、え、ここどこ?」

現状を理解したのかキョロキョロ辺りを見渡している。

「ここは魔法国家イリス、そしてお前は選ばれた人間だ。」

偉そうな術士らしき人物がようやく声をかけたが彼”だけ”見ながら言っている。

こちらは無視か?

「詳しい説明は後でするがまず先にこの国の王と話をしてもらう、来い。」

彼にだけ向かって言った。うん無視だな。

(え、置いてけぼり?)

「あの、この人も一緒でいいですか!」オロオロしながら言われた。

「…ああ。」渋々言われた、解せぬ。

謁見の間っぽい所についたら偉そうなオッサンが居た。

「前置きは要らん、本当に召喚に成功したんだろうな?」

開口一番にそれかよ。

「もちろんです陛下。おい、称号を見せろ。」

「称号?」「なんですそれ。」

「ん?何だこの鳥は?」

「勇者を召喚したら居ました。関係ないかと思いましたが連れてまいりました。」

「まあいい、それより早く称号を確認しろ。」

「心の中でステータスを確認すると思え、自分のステータスが見える。

そのままオープンと唱えると周りにも見える、やれ。」

半信半疑ながら心の中でステータスと唱えてみた。

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「おおまさしく勇者!歓迎するぞ!」

ハッとし、隣を見たら高校生のステータスが広げられていて称号には《 勇者 》とあった。

(おめでとう国の家畜さん。) 皮肉にもそう思ってしまった。

「ふむ、これでこの国も安泰だな。おい、貴様のステータスも見せてみろ。」

「…オープン。」

======
【ステータス】
名前:??? 種族:人??? Lv1?

ス?ル
???

ユニーク×キル
フ?ン??ー?
???
四???

称号
異世?の人間
とばっちりを受?た人
???
ハシビ??ウ??

ア?テ×
※表?出×?せん※
※××で?ま??※
======

「なんだこのステータスは!滅茶苦茶ではないか!!」

「まさか召喚の時に姿だけでなくステータスまで変わったというのか?!」

「不良品ではないか。」

周りが騒がしい。

「落ち着いて下さい陛下!例えバグであろうと生きて召喚されただけでもありがたいのです!」

「これのどこがありがたいのだ!」

「失敗すると高い確率で死に、たとえ成功してもミンチだったり見られないような姿で召喚されることが多いのです、“これ”は成功と言えるでしょう。」

その言葉を聞き周囲が静まり返った。

(それが本当なら危なかったセーフいやこの姿でアウトか、召喚やめろ。)

「あの、元の姿に戻れないんですか?」大臣ぽい人に聞いてみた。

「戻るとしたら莫大な費用が掛かることになります。」

「なら捨てろ!必要なのは勇者のみ他の者など構ってられん!」

「私に人権はないのですか!」

「見た目が鳥の貴様なんぞに人権など無い!!」

「鳥だろうと人だろうと面倒を見るつもりがないのなら初めから召喚しないでください!!」

「勇者のオマケで付いてきたくせに偉そうなことを言うな!!」

(なんでこんな国に召喚された!)

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